葬儀・法要・慶弔生花・盛篭・仏壇仏具の株式会社珍田葬祭

送るこころ

事前準備

末期の人の心理

末期の状態にある人は、どのような苦しみや悲しみを経験しているのでしょうか。
基本的な以下の7つをあげてみました。
肉体が衰え精神の安定が妨げられる苦しみ
病名にもよりますが末期の人にはそれ相応の痛みが伴います。
こうした病気が肉体的な痛みをもたらし、病人に不安やいらだちなどを与えます。
人によっては「気分が安定した時に息を引きとりたい」と思うのでしょうが、痛みが持続したり、強くなると、気持ちが落ち込んでしまい、心の安定が保てないというのが一般的な気持ちでしょう。
肉体が衰え、機能が失われていく悲しみ
病気が進行すると、それに伴って身体の動きが思うようにできなくなることがあり、それがいらだちや悲しみをもたらす原因となります。
手が震えてはしが握れなくなったり、鉛筆が使えなくなったり、そうした日常的な行為ができなくなると、言葉に言い表せないほどショックを感じるものです。
それが原因で、人前に出たくなくなり、自信を喪失するということがあります。
また視力が低汗して、本も読めず、テレビも見られなくなることもあります。
食欲が低下して、体力が衰え、無気力な状態が続いていくこともあります。
残していく家族や仕事への気がかり
家族をもつ人にとっては、残していく家族ヘの思いは切実です。
特に子供が小さかったり、あるいは仕事をやり残したままであると、それが心残りとなって、心の平安は訪れません。
残していく家族の経済的見通しが出来るまでは心のゆとりができません。
自分の死を悲しむ家族のいない寂しさ
自分が末期ガンであることを知っていたある男性は、「自分一人ではとても耐えられません。私を理解してくれる家族があるから耐えられるのです」と語っています。
自分の死を悲しみ、支えてくれる家族がいない場合には、その人の寂しさは格別なものでしょう。
自分が消滅する悲しみ
人は自分が死んだ後、何も残らないと思うと、いいようのない寂しさに襲われます。
この世に残る子供や孫を通して「自分が伝えられていく」という思いに慰められるということがあります。
何も意味あることを成し遂げなかった悲しみ
末期の人の精神的苦痛の一つは「自分の人生で、何も意味あることを成し遂げられなかった」という後悔の思いにさいなまれることがあります。
口にはしませんが、「自分は何のために生まれてきたのか」という後悔にさいなまれ、無口になる人もいます。
自分を支えてくれる存在への願い
末期になると、人は死や死後の世界などについて考えたりすることがあります。
こうしたときに普段から信仰を持っている人は、そうした力にすがって精神的な領域へ心を振り向けることがあります。

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末期の人との接し方

末期の人を援助する目的は、苦痛や悩みを和らげ、心の平安を増す手助けをすることにあります。
そのために心掛ける7つの要点をあげてみました。
心の平安を増すための手助けをする
回復不能な状態にあるならば、少しでも苦しみや悩みから解放させ、満ち足りた気持ちで最後の日々をおくることができるよう手助けをしてあげたいものです。
願い事をかなえてあげる
心の平安を増すよう手助けするとともに、希望している願いをかなえてあげるようにしてあげることも、大切なことです。
末期の人の願いは、私たちが健康である時には、かなえられる当然なことが多いものです。
「おいしい物が食べたい」「もう一度、庭の手入れがしたい」等々です。
そのためできるかぎり努力して実現させてあげたいものです。
誠実に接する
病人は大変に心が敏感ですから、同情と関心をもって接してあげることが大切でしょう。
病人が心から願うことは、「誰かがそばにいて、私の苦しみや悲しみを分かち合ってほしい」ということでしょう。
したがって、病む人と共にいることが大切となります。
病む人のそばにいて、さまざまな苦しみや悲しみに耳を傾け、その訴えを聞いてあげることが病む人の求めていることでしょう。
繰り返し訪問する
末期の人を援助する為には、出来るかぎり、何度も訪問してあげることが大切です。
そうすれば「寂しい」気持ちが和らぎ、気持ちが穏やかになるでしょう。
訴えに耳を傾ける
末期の人が何を感じ、何を欲しているのかを聴きとり、願いごとの実現に尽力することが大切です。
そのために話に関心をもって聴き、何を望んでいるかをあるがままに受けとめたいものです。
「もう一度、口から物を食べたい」「洗面所まで歩けるようになりたい」「おいしい物が食べたい」「痛みから解放されて、ゆっくり休みたい」
こうした小さな願いに耳を傾けることは、とても大切なことでしょう。
会話が不可能になったとき、ふれあいでコミュニケーション
体力が衰え会話が不可能になった時にも、手でこちらの気持ちを伝えられます。
私たちは、相手に触れることによって、「私はあなたと共にいます」というメッセージを送っているのです。
会話ができなくなった時には、相手の手をにぎったり、身体をさすってあけたりしながら、コミュニケーションするのも大切です。
まず、家族自身のケアを
末期の人のケアに携わる時に注意したいのは、家族自身がこうむるストレスにどう対処していくかということです。
末期の人は、援助する人の心を敏感に察知します。
もし、家族の方々が、看病に疲れたりして、看護に心がこもらなくなったり、疲れた顔をしていたら、看病を受ける人も負担を感じさせてしまいます。
そこで家族の方もゆっくりと息抜きをして、自分たちをケアする時間が必要でしょう。

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告知の方法

病名の告知は主治医が説明するのがベターなのですが、指導医を介したり、家族を介して病名が告知されることがあります。
いずれにしろ、どのように、どういう目的で病名を告知するのか理解していることが大切です。
病名告知の時期
病名を告げるために、適切な時期を失っては、かえって害になることがあります。
病名を告げる時期は、病気の性質や種類、告知する対象、病名を告知する人の考え方などに左右されるので、一律には論じられません。
しかし、病名を告げる時期としては、次のような場合があります。
  1. 本人が自分の病名に疑問を持ち不安を感じている時。
  2. 確定診断がついたとき。
  3. 新しく検査や治療が必要なとき。
  4. 予後の悪いことが予測されるが、退院することが可能な時期。
病名告知の有無
病名を告知するにもいくつかのレベルがあります。
  1. 病名を正しく伝え、その病気について説明する。
  2. 病名をぼかして説明する。たとえば、ガンを潰瘍だとか、白血病を造血障害だというように別の表現をとり、治療を行うために協力を得やすくする場合。
  3. 病名を隠し嘘の病名をいう。たとえば白血病を再生不良性貧血といったり、胃潰瘍といって胃ガンの手術をしたりする場合である。
  4. 求められなければあえて正しい病名を告げない。
病気への理解
病名を告げることで人は病気がもたらす意味を自分自身で考えることになります。
しかし、病名を告げることで、その病気を誤解して、いたずらに恐怖を与えたり、曲解したりする人もいるので、病名を告げる際には、正しい理解が得られ、適切に対応がなされるよう十分配慮することが大切です。
病名告知の有無
病名を告知するにもいくつかのレベルがあります。
  1. 病名を正しく伝え、その病気について説明する。
  2. 病名をぼかして説明する。たとえば、ガンを潰瘍だとか、白血病を造血障害だというように別の表現をとり、治療を行うために協力を得やすくする場合。
  3. 病名を隠し嘘の病名をいう。たとえば白血病を再生不良性貧血といったり、胃潰瘍といって胃ガンの手術をしたりする場合である。
  4. 求められなければあえて正しい病名を告げない。
病気への理解
病名を告げることで人は病気がもたらす意味を自分自身で考えることになります。
しかし、病名を告げることで、その病気を誤解して、いたずらに恐怖を与えたり、曲解したりする人もいるので、病名を告げる際には、正しい理解が得られ、適切に対応がなされるよう十分配慮することが大切です。
病名告知の決定
告知を決めるにあたっては以下の要因を考慮することが大切でしょう。
  1. 病気の性質、予後、病気の期間。
  2. 告知される人の年齢、性格、知能、自我の強さ、宗教や信条、社会的経済的立場、病気体験
  3. 告知する人の性格、宗教や信条、医療に対する考え、経験、能力。
病名告知の意義と目的
告知を決めるにあたっては以下の要因を考慮することが大切でしょう。
  1. 病名を告知することで適切な医療を行なうことができます。
  2. 末期の人がやり残した問題(仕事、財産、遺言など)を、準備することができます。
  3. 癌を告げない人の理由に、ガンを告けれぱ患者をいたずらに不安に陥れ、絶望においやるというのがあります。確かに、病名を告知するデメリットもあります。人は危機に直面するとショックをうけ、絶望から抑うつ状態に陥ることがあります。しかし、その後人間は前向きの姿勢に転じ、人間的成長を遂げることがあるという意見もあります。

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入院費用

医療費
一般の医療は健康保険で受けることができます。ただし、国民健康保険は社会保険に比べ自己負担の割合が高いので、その分出費が多くなります。
ガンの場合、放射線療法などの継続的な治療が行われます。
こうした療法は定期的集中的に治療し、かつ期間が長いため、治療費はかなりの額になります。
また、特別な医療が行われたり、保険では認められていない新薬が投与されると、自己負担額は多くなります。
治療の必要上、クリーンルーム(無菌室)に入る場合、治療費は保険で補填できても、部屋代は自己負担になる病院もあります。
差額ベッド料
入院中にかかる費用の中で、大きな負担になるのが、「差額ベッド料」です。
この「差額」というのは、保険が適用される限度額との差の料金のことです。
差額ベッド料は、一日数千円から数万円までの幅がありますが結果的にかなりの金額になります。
公立病院では差額ベッド数が少なく、保険料だけで入院できるベッドが多いのですが、入院持ちをしなければ入れないのが現状です。
一方民間病院では差額ベッド数が多いので、空いている確率は高いようです。
個室か複数ベッドか
複数ベッドの病室では、患者同士が助けあったり、励ましあうということが出来ますが、騒音やその他の問題から安眠やプライバシーが妨げられることがあります。
したがって、いちがいにに個室がいいとも複数ベッドの病室がいいともいえません。
また、重症になった時点で個室に移動する場合には、患者が病状の悪化を感じとり、個室への移動をいやがるということがあります。
付き添い料
病院の条件や病状によって、個人的に付き添い婦を雇わなければならないことがあります。
ただし非基準看護病院の場合なら、あとで付き添い料を申請するとその費用がかなり還元されます。
国民健康保険の場合は市町村役場の国民健康保険取扱部門に、社会保険の場合は各地の社会保険事務所に申請します。
一方、基準看護承認病院では、付き添いはつけないのが条件なので、たとえ特別な理由でつけたとしても、その費用の払い戻しは行われないのが原則です。
医療費支払限度額と支払猶予制度
長期にわたるガンの治療には、多額の費用が必要となります。
しかし、現在の保険制度では、毎月の医療費自己負担額が一定額を超えると高額療養費の支給対象になり、申請すると一定期間の後に、その差額が払い戻されてきます。
また市町村自治体によっては、医療費の無利子の貸付け制度があるので、それがあれば利用するのもいいでしよう。
病院によっては、誓約書を入れれば分割払いにできたり、支払い期限を延ぱせたりという、院内処理による支払い猶予制度があるので、相談するといいでしょう。
これらの制度については、入院手続きのときに説明があるわけではないので、看護師長や事務などに相談するといいでしょう。
その他の出費
入院生活では、いろいろな必需品をそろえる費用がかかります。
また、面会での費用もばかになりません。 次に出費がかさむものを簡単にあげておきます。
  1. 寝まき  病人を清潔にさせるために、たぴたび交換しなければならず、洗濯しても乾かなかったりすることがあるので、多くの枚数が必要。
  2. 下着   バンツやシャツなど数多く必要。
  3. タオル類  バスタオルや普通サイズのタオルが何枚も必要。
  4. 紙おむつ   紙おむつやおむつカバーを使用する場合、入院中でも個人で用意します。
  5. 家族の交通費、宿泊代   病院と家が離れている場合、交通費がかかります。荷物などがあれば、タクシーの利用回数も多くなりがちです。病院が遠隔地の場合は特に大変です。
  6. その他  テレビのリース代、家族が泊まりこむ際の寝具の借用料、家族の外食代なども必要になります。

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抗ガン剤による脱毛対策

ガン患者に放射線などの療法を行なうことで、脱毛することがあります。
こうした脱毛が病人にあたえるショックは、男女ともに大きいものです。
頭髪が一時に脱毛すると、病人の精神にあたえる影響が大きく、悩みは深刻となりますので、その対応を考えてみましょう。
脱毛の起き方
化学療法の副作用によって脱毛が起きますが、薬の種類によっては脱毛が起きない場合もあります。
また、薬品の組みあわせによっても、脱毛の起こり方は異なります。人によってはわずかな脱毛にとどまることもありますが、ほとんど髪全体がなくなることも少なくありません。
脱毛は治療を開始して2〜3週間後から現れることが多いのですが、ときには2、3日後で抜け始める場合があります。
脱毛が始まると病人も家族もショックを感じますから、あらかじめ脱毛に対しての知識を知っておくことが大切です。
放射線療法による脱毛の起き方
放射線療法による脱毛は、化学療法の場合と少し異なり、照射を受けた部位だけが脱毛します。
放射紡照射が頭部に行われている場合には、頭髪が抜けるでしょう。
乳ガンの場合に、わきの下を含む範囲の放射線照射を受ければ、わき毛だけが脱毛するでしょう。
放射線治療終了後には、髪はまたもとにもどります。
いつ戻るのかの時期は個人差がありますが、大体半年から1年以内にはもとにもどるようです。
脱毛についての説明を事前にしておく
化学療法を始めるときに、病人に次のようなことを話しておく必要があります。
「化学療法をすると副作用として髪がたくさん抜けてしまうが、化学療法が終われば再び髪が生えてくる」こと。
おそらく治療終了後1ヶ月から6週間以内に、はじめは柔らかい髪が生えてくること。
また3〜6ヶ月後には、人目にふれても恥ずかしくない状態にもどることも説明しておきます。
しかし、再生した髪は、以前より少し細かったり、ちぢれていたり、髪の色も少し違う場合があります。
もしあらかじめ説明を行わず、突然の大量の脱毛を見て病人がショックを受けた場合には、その気持ちを思いやりながら、家族が適切な説明を行いましょう。
脱毛が起きたときの対策
脱毛による苦痛を少しでも緩和するために、以下のような注意と対策が考えられます。
  • 治療を開始する前に短い髪にすると、抜けたときに処理が楽です。
  • ヘアネット、ナイトキヤップ、タ一バンを使用すると、髪がベッドに散らばるのを防げます。
  • かつらを買う場合には前もって、髪を短くした方が、かつらをあわせやすい。
  • 髪がまだあるときに買う場合には、小さめのサイズを選ぶようにします。
  • アクリル製のかつらは本物より安く、洗うのが簡単です。しかし熱に弱いので注意。
  • かつらの代わりに、帽子やスカーフを利用して、脱毛状態をカバーすることができます。

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排泄の手助け

家族は病人の排便・排尿ができるだけ順調にいくよう手助する必要があります。ただ、排泄は出来れば家族の助けをかりず、自分ひとりでしたい行為です。
援助するときには、病人の人格を無視しないような配慮が大切です。
尿が順調にいくには
飲み物などを工夫して、排尿が順調にいくようにします。
できれは一日、コップに5、6杯の水分がとれるようにしたいものです。
これはみそ汁やスープ、ジュースや牛乳、お茶など水分の合計量がそのくらいになればいいのです。
自分でトイレに行けるな配慮を
排泄については、できるだけ自分で歩いてトイレに行きたいと考えています。
入院生活では個室でない場合、ベッドのそばで簡易トイレを使うのも気がひけるでしょう。
しかしトイレが遠いと歩いて行くのは大変ですし、歩行器や車椅子を使って歩くのも一苦労です。
ガンの終末期には全身の骨にガンが転移して、骨折しやすい状態になっている場合があるので、すべって転んだりしないように注意が必要です。
自分でトイレに行けなくなった場合
便器やしびん、尿器、オムツの使用などで、介護の人の手を借りなければならなくなります。
このことは、病人にとって精神的苦痛をともなうでしょう。したがって、オムツの交換や便器をあてるときなどは相手に気がねをさせないように、気さくに手早く行うことが大切です。
便器の配慮
直接肌にふれる便器は事前に湯をかけて暖めるとか、最初から紙を敷いておくと後始末がしやすいことが考えられます。
また、男性の場合は、寝たままでも尿器を使って自分で排尿しやすいので、なるべく自分でできるように用意してあげましょう。
おむつ使用の場合
おむつは不潔になりやすく、むれやすいものです。またその人に合わないおむつをしていると動作能力の低下が考えられます。さらに長期使用をしますと尿意・便意の喪失につながっていきます。
心理的にも自信喪失などのマイナスの影響が考えられます。出来るかぎりおむつをはずせるような援助や失禁バンツなどの活用を考えたいものです。
(●資料/季羽倭文子著「ガン告知を受けた家族の本」 池田書店 介護技術研究同好会編「基礎介潅技術」他)

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一時退院での注意

ガンの再発や転移で死の告知を受けた場合でも、一時的に「小康を得る期間」があります。
やがて状態が悪化するのですが、医師はその前にできれば「家に帰って家族といっしょに過ごさせてあげたい」と考えています。
また入院している病人自身が「家に帰りたい」とか「だめなら家で死を迎えたい」といった気持ちを示し、退院したいと医師にうったえる場合もあります。
退院を不安がる病人や家族
しかし、こうした医師の考えを、病人や家族が理解できない場合があります。
病院でこれまで治療をつづけてきて、特に病状が好転していないのに、退院するようにいわれればとまどいや不安を感じたりすることがあります。
こうして退院をためらっているうちに、退院の時機を失うという場合は少なくありません。
退院に関る問題
退院した後、家族は精神面・看護面でさまざまな問題に直面するかもしれません。そして、それらの問題が起きたとき、家族だけで対処しなければならなくなります。
ときには病人の痛みがひどくなったり、食物が食べられなくなったりして家族だけでは対応しきれなくなることもあります。
このような場合に備え、どのような事態が発生する可能性があるかをあらかじめ知り、それに対して具体策をたてておくことが必要です。
退院の目的
残された人生を、医療にわずらわされることなく、比較的自由な生活を送ることが退院の目的です。
しかし最後まで継続して治療を受けたい場合には、退院は望ましくありません。
痛みのために薬を続けなければならない場合もあります。
食欲が低下し、やせはじめ、体力低下のために歩く力がなくなった場合に、退院させたのがまちがいだったと悩んだり、「病気なのに退院させた」と親戚の人に非難されてもいけません。
そこであらかじめ親戚も交えて、退院の意味を話し合い、最後まで協力しあえるようにしておくことが大切です。
退院により発生する負担
退院により、家族は病人の世話で忙しくなります。
また、体力が低下して人手を要するようになった場合、家族の負担はより大きくなってくるでしょう。
そのため、家事をはじめ生活上の事柄に対して、家族全員の協力態勢が必要となってきます。
一人だけに負担が集中しますと看病疲れから倒れてしまうこともありますので、役割を分担しあって病人を支えるように努力したいものです。
病名に病人が気づいた場合
退院してからも病状が進行していくと、病人は自分の病名や病状に疑いをもち、家族に問いただすということも起こってきます。
そんなとき、突然聞かれると、適切な対応ができにくいものです。
したがって、病人から質問される場合を考えて、あらかじめ家族の間で話しあっておくとよいでしょう。
真実を告げるかどうかは、家族としての方針や方向を確かめあっておく必要があります。
病状が更に進行した場合
退院して、やがていろいろな症状が出はじめるようになります。
これはあらかじめ予測できたことなのですが現実になってみると、その対応にあわてる場合も少なくありません。
このような事態を避けるために、最後まで在宅療養をつづけるか、時期を見て再入院して病院で最後を迎えるのか、事前に家族の間で決めておくことが望ましいでしょう。

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寝たきり老人の介護

寝たきり老人への介護は、老人の病気の内容や状態をよく把握した上で、手は出しすぎず、目は離さずの基本的介護で、ねたきり老人特有の「過度の安静」による身体機能の衰えを助長する生活から脱却していきたいものです。
介護の実際
「静かに寝かせておく」、「手を貸しすぎること」が良い介護と思い、そのように対処していると、病人はますます自分で何も出来ない身体になってしまいます。
いったん寝たきりになった場合には、日常生活をするための動作でさえ回復させることは並み大抵のことでなくなっていきます。
そのために、現状を維持し、より回復へ向けての介護を望みたいものです。
食事動作
食事をするための動作として、まず仰向けになった姿勢から座位(座いす・背もたれなどを使用)への移行をしたいものです。
さらに状態がよければ、ベッドから車椅子ヘ、そして食事の場を寝室から食堂へと拡大していきたいものです。
またスプーン、食器等、対象者に合った器具を使用することも必要です。
飲み下すことが困難な場合にはミキサー食、刻み食などが必要です。湯呑み、コップ、ストロー等は身体状況に合った物を使い、いつも病人の手の届く所に置きたいものです。
理容、更衣動作
寝たきりの方に寝衣を着せたままにするのでなく、昼夜に衣服を交換したいものです。
交換することにより移動しようという気持ちも生まれてきます。
こうして車椅子への移行も可能になれば身だしなみや整髪などへの配慮も出てきます。
また、寝衣も自分で着脱できる改良衣を用意したり、色も明るい色を選びたいものです。
タオル、おしぼりを使い分け、朝の洗顔から手ふきと、できるだけ自分で行えるようにし、生活にリズムをつけるようにすることが大切だと思われます。

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末期を病院で過ごす

末期であっても、少しでも快適な生活をおくらせたいと、病人はもとより家族の者も願うものです。
苦痛がある場合、その処置をするのに病院は適切な場ですが、いろいろな制約があるので病院は終末期を過ごすのに快適な環境であるとはいえません。
しかし、いつ病気が急変するかわからないし、自宅で世話をする人手がないなどの理由により、末期を病院で過ごす場合が少なくありません。
したがって、入院生活を送りながらも、できるだけ快適さを保つよう工夫したり、努力したいものです。
何事も看護婦に相談する
末期の病人にとって、食事や検温なども、病院のルール通りにすることがとてもつらい場合があります。
たとえば早朝には食欲がないので、朝食をおそく取りたいということもあるでしょう。
しかし、そのような場合でも、病人は自由がききません。また、看護婦の方でも、病人の気持ちに気がつかないことがあります。
したがって、このような病人の望みを察知したら、家族の方から患者の状態を話し、例外的な対応がしてもらえるかどうか、看護婦に相談してみるようにおすすめします。
家庭的な気分を感じるような配慮を
病院の制約のために、病人に暖かい対応ができない部分を家族がおぎなうことができれぱ素晴らしいと思います。
例えば、
  1. 家で使っていた食器を病院に持ってきて食事をする。
  2. ひげそり、髪をとくのを手伝う。
  3. 読みたい本や、趣味の材料を届け、体調のいいときに手がけられるようにする。
  4. 車椅子で病院内や庭の散歩に連れ出す。
  5. 食事時間に面会に行き、食事をゆっくり食べさせたりする。
個室か複数ベッドの部屋か
入院生活についてより自由な生活を送るという点では、個室の方が対応しやすいでしょう。
しかし、経済的には負担がかかり、個室が少ないために入室が困難な場合があります。
公立病院は比較的個室が少なく重症にならなければ個室には入れないかもしれません。
以上のような事柄が関係してくると思いますが、個室が多い病院でもし経済的な事情が許す場合には、入院の最初から個室を使用するのがよいでしょう。
そして、例外的な生活を少しでも許可してもらい、生活の幅を広げるようにする方がいいと思います。
外泊の機会を多くする
主治医の許可を得て、週末や家族の都合のいい日にできるだけ外泊するのは、病人はもとより家族にとっても意義のあることです。
残り少ない時期に病人と家族の交わりの場を多くし、また気がねなく家庭で過ごす時間をもつことは気分転換になります。
次第に病人の衰弱が進み、自分の身の回りのことが自分でできなくなったとき、家族はできるだけ病人のそばにいる時間を多くすることが望ましいでしょう。
病院への付き添い
病状が進行した場合には病室に泊まりこむこともあります。
あとで家族に心残りがないようにするためにも、終末期には病室に泊まる機会をもつのもいいと思います。

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末期を自宅で過ごす

条件さえ整えば、終末期を自宅で過ごすのが、病人にとって一番幸せなことでしょう。
しかし家族にかかる負担は、入院の場合よりかなり重いことを覚悟しておかなければなりません。
また、終末期を自宅で過ごす場合でも、ぎりぎりまで自宅にいて最後は病院に入院して死を迎える場合と、自宅で死を迎える場合があります。
苦痛な症状があるか
苦痛がひどい場合は、無理して自宅に帰ると本人にとっても家族にとってもつらい状態を招いてしまいます。
退院するには痛みのない、あるいは痛みが抑えられている状態であることが原則です。
病人の年齢
老人の場合、死に対する心がまえが比較的整っていることが多いものです。
そのため、医療機器に囲まれて延命処置を受けるよりも、自宅で最後を迎えさせてやりたいと、周囲の者も考えることができるようです。
これに対して50代等の若い年代の場合は、治療の可能性があるのではと考え、自宅で過ごすことへの迷いが家族にも生じやすくなっています。
看病は誰がするのか
現在、家事や育児はまだまだ女性が行なうのが一般的です。
したがって病人が女性の場合、「家事や看病をだれがするのか」といった問題が男性の場合よりも発生しやすいでしょう。
せっかく自宅で生活できても、病人が家事の心配や気苦労を抱えこんでしまうようだと逆効果です。
延命医療に対する考え方
死の直前まで、点滴をしたり心臓マッサージを行ったりして治療を継続することが一般的です。
こうした延命医療を最後まで必要とするか、それともその必要はないと考えるかで、在宅にするか病院にするかの選択も左右されます。
また、次の3点も検討の目安となります。
  1. 看病する人手があるかないか
  2. 往診してもらえる医師がいるかどうか
  3. 訪問看護を受けられるか
重要なのは病人自身
在宅かどうかを決定するのに最も重要なのは病人自身の気持ちです。
たとえば予後を自分で察知し、自分から医師を説得して自宅に帰ることがあります。
もし病人自身が自宅で死を迎えたい場合には、家族と十分話し合うようにします。
病人が自分で働ける時期
末期といっても、人によって大きな開きがあります。また病状そのものによっても、どの程度の負担が家族に加わるか、個々に相違があります。
したがって、どのような状態で在宅生活を送ることになるのか、またどんな問題が発注するのかを予測するのは困難なことです。
一般にガンの場合は、脳卒中による寝たきり状態とは違って麻酔による運動機能障害は発生しない場合が多いのです。
つまり、体力低下や衰弱のために動作を緩慢に行う必要はあっても、歩行が不可能だったり、片手が麻痺して使えなかったりする場合は比較的少ないのです。
したがって日常生活の世話をこまごまと家族が行うことは、かなりの終末期になるまで必要ない場合が多いようです。
むしろ病状の進行に対する不安や、告知や死に当面することに伴う精神的な苦しみの方が大きいようです。
病状が進行した時期
病状が進んだときには、交代で看病を分担する人が必要になります。
病状が変化しやすく、どんどん悪化していくこともあるので、病状を見守る人が付き添うことが必要です。
そして、何か異常があれば、すぐに訪問看護婦や往診してくれる医師に連絡する態勢が出来ていなければなりません。
同居家族内に人手があるときはいいのですが、場合によっては家政婦あるいはホームヘルパーを頼む必要が出てくるかもしれません。
もし在宅で死を迎える場合には、死が近づいた最終段階で病人のそばにいて看病にあたっている家族が2人でついていられるような態勢ならば心強いでしょう。
在宅生活での注意点
在宅で生活するときには、終末期であってもできるだけ普通の生活を送るようにするといいでしょう。
まだ歩いたり、日中起きて生活することが可能な状態の場合は、普通の人の生活リズムと同様に過ごせばいいと思います。
一日中ふとんの中にいる必要はなく、散歩をしたり、来客に会ったりできるでしょう。
ガンが全身の骨に転移して容易に骨折しやすい状態になると、入院している場合にはトイレへの歩行も、入浴も禁止されることもありますが、自宅の場合は介護者が何人かいれば、入浴することも可能です。
退院時に食事についての特別な注意があったり、消化器系のガンでチューブが食道に挿入されている場合以外は、本人が食べたいと思うものを用意するようにし、本人がしたい生活を送れるように配慮することが大切です。
死亡診断書を書いてもらえる医師の確保
自宅で死を迎えると決めた場合、死亡診断書を書いてくれる医師がいないと、いざというときに面倒な事態が発注します。
臨終の場に立ち合い、死亡診断書を書いてもらえる医師がいないと、不審な死ということになり、警察に連絡することになってしまうからです。
往診して患者を直接診ていなけれぱ医師は死亡診断書を書くことはできないので、いざとなったら往診して死亡診断書を書いてもらえる医師を、ぜひとも探しておく必要があります。

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介護用品

介護用品を選ぶ際に、使用者にどれが合うかを決めることはむずかしいと思います。
そのため使い方、適合性等を工夫するよう心がけます。基本的には以下の点に留意して選ぴます。
  1. 簡単に使用できるか。
  2. 耐久性や安全性はどうか。
  3. 使用者のサイズや使用する部屋に合うか。
  4. 介護する人の負担にならないものが望ましい。
  5. 病人の体力や機能の低下を防ぐことが出来るか。
  6. 気持ちを明るくするような色調やデザインか。
  7. 用具・用品の給付、―部経費負担など福祉制度で活用できないかどうか。
車椅子
車椅子を利用することで病人の生活の幅を広げることができれば、その使用を考えたいものです。
車椅子には、多くの種類がありますが、病人の体格、身体機能に合うものを選ぴます。
色々なタイプがありますが、折りたたみ式のものが便利な場合もあります。
また、もっぱら家屋内の移動や椅子がわりに使う人もいます。玄関の段差をなくすスロープ、屋外から寝室まで床にビニールを敷けば、1台の車椅子が室内と屋外の兼用に使えます。
衣類
種類にぼ寝巻き、パジャマ、ネグリジェ、その他特殊なものがあります。
材質は木綿、ウールなどの天然繊維がよいと思われます。
天然繊維は、化学繊維よりも保温性、吸湿性、通気性がよく、皮膚にはやさしいからです。
デザインは、着脱が簡単で、ゆったりとして着くずれのしないものがよいでしょう。
寝たきりの場合は、床ずれの発生を防ぐために、背中に縫い目のないものがよいでしょう。
レンタル
介護用品専門店には、多くの種類が展示されているので参考にしましょう。
レンタルの場合には、料金、期間等を調べて選びます。
レンタルされている介護用品には、寝返りベッド、電動ベッド、車椅子、床ずれ予防マット、酸素吸入器などがあります。

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在宅療法

病状の進行が確実な状態で自宅療養するのですから、往診が可能な開業医を見つけておく必要があります。
外来通院ができない状態になったときに開業医の往診がないと、とても困ります。
とくに自宅で死を迎えることを望む場合には、絶対に開業医との連携が必要になります。
在宅療養中に係わる開業医を探す上でいくつかの点をあげておきます。
往診可能な開業医を確保する
どの開業医も往診するわけではありません。
事情によって自宅療養する場合には、往診をしてもらえるか、場合によっては夜間でも往診が可能なのか、確認しておきましょう。
また退院前に病院の主治医から、病状や治療経過を記入した紹介状を書いてもらうようにしましょう。
主治医との対応
退院時に「何かあった場合、どうしたらいいか」を主治医に相談することが重要です。
「何か変化があったら、外来にいらっしゃい」ということもあるでしょうし、「近くのお医者さんに診てもらいなさい。紹介状を書きますよ」といってくれる医師もいるでしょう。
また病院の看護婦が訪問看護をしてくれる場合もあるでしょう。
いずれにしても主治医からなんらかのアドバイスを受けておきましょう。

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訪問看護の依頼

訪問看護制度は、介護を必要とする老人が安心して療養生活をおくれるよう、かかりつけの医師との連係の下に訪問看護サービスを提供するシステムです。
病状の進行が予測される状態での退院時には、悪くなる前に訪問看護を受けるようにしておくと、いろいろと役立つことがあります。
訪問看護を受けた家族の方は、訪問看護を受けてよかった点に、「不安な気持ちが支えられた」「処置や清拭などのケアをしてくれた」「主治医と連絡が取れ、適切な対応がなされた」などがあります。
訪問看護の利点
訪問着護では家事援助は行いません。
また医療機関とつながっているかいないかで訪問看護婦の対応の仕方も異なります。
しかし、市町村自治体や福祉組織からの訪問看護もいろいろな面で支えになりますから、ぜひ活用するといいと思います。
また、退院してから訪問看護を依頼するよりも、入院中に訪問看護の手続きをしておくことが大切です。
退院直後の環境が変化したときにこそ、訪問看護の援助は力を発揮してくれるでしょう。
訪問看護サービスの対象者
疾病または負傷等により、家庭において寝たきり状態にある老人医療受給対象者で、主治医(かかりつけ医師)が訪問看護の必要性を認めた者となっています。
訪問看護サービスを実施する主体
地方公共団体、医療法人、社会福祉法人及び厚生大臣が定める者(地域の医師会、看護協会等)のうち、一定の基準によって都道府県知事の指定を受けた者(指定老人訪問看護事業者)が、訪問看護サービスを実施することができます。
入院中の病院が訪問看護を行っている場合には、主治医あるいは病棟婦長が訪問看護を受けるための手配をしてくれることがあります。
現段階ではどこの病院が訪問看護をしているかを知るのがなかなか困難です。
市町村役場、あるいは保健所、各都道府県にある社団法人看護協会の支部に問い合わせるとわかります。
看護協会によっては、在宅看護の電話相談をしているところがあります。
自治体の訪問看護
また、市町村自治体でも保健婦あるいは訪問看護婦が訪問指導を行っているので、これを活用する方法もあります。
市町村の役所に「訪問指導」について問い合わせれば、担当部署を教えてもらえます。
訪間看護係が単独の部署として設けられているところもありますが老人保健課や保健係が担当している場合もあります。
訪間指導は40歳以上が対象ですから、相談してみましょう。
訪問介護サービスの内容
老人訪問介護とは寝たきり老人等に対し、主治医が必要と認めた場合、その指示を受けて看護婦等が在宅で行う療養上の世話をさします。
具体的には、病状観察、清拭・洗髪、褥瘡処遣、体位交換、リハビリテーション、食事・排泄の介助、家族への介護指導、等があります。
費用
病院や診療所からの訪問看護料の大半は健康保険でカバーされますが、交通費や健康保険の規定外のたびたびの訪問看護には一部料金の自己負担が加わる場合があります。
自治体の訪問指導は公的サービスですから無料です。
ただし、病状が進行していたり、何らかの処置を継続して実施する場合、市町村自治体の訪問指導に該当しないと断わられる場合があります。
訪問の回数も、1週間又は2週間に1度など、自治体によって異なります。
親戚・家政婦など人手の確保をする
病人が寝たきりの状態になったり、夜も誰かそばについていなければならなくなると、家事を手伝う人や、交代で世話をする人が必要になります。
病状の変化や看病する家族の年齢や健康状態により、援助を必要としないこともあるでしょう。
しかし、親戚や知人の援助など、あらかじめ確保しておく方が、いざというときにあわてないですみます。
あるいは、条件があえば自治体のへルパーを頼んだり、また有料の家政婦を依頼するなど、事前に手配しておきましょう。
親戚への援助を頼むときは退院前に話しあい、どの程度の協力が得られるかを確認しておくとよいでしょう。
(●資料/季羽倭文子著「ガン告知を受けた家族の本」池田書店、介護技術研究同好会編「基礎介護技術」他)

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利用できる公的制度

お年よりをお世話するときに、利用できる国や自治体が行っているサービスを紹介しました。
またこの他、民間によるサービスもあります。
名 称 対 象 内 容 窓 口
日常生活者の給付 65歳以上のひとり暮し、寝たきり老人、老人だけの世帯  特殊寝台、マット、浴そう等の貸出。所得制限あり  市区町村・福祉事務所
老人福祉電話 65歳以上のひとり暮し、老人だけの世帯  電話の設置と基本料金の助成。所得制限あり 市区町村 
デイサ−ビス 65歳以上の在宅老人  通所できる人はデイサービスセンターヘ。実費負担  市区町村
ショートステイ 65歳以上で常時介護を必要とする人  特別着護老人ホ‐ムで2日以内預る。食費の実費負担  市区町村
老人家庭奉仕員の派遣 おおむね65歳以上  寝たきり老人を対象にヘルパーの訪問(1日4時間、1週間に6日を上限とする)  福祉事務所
医療費の助成 70歳以上、および65歳以上70歳未満の障害認定者  医療費(自己負担金外)を助成 市区町村 
訪問看護指導 在宅で寝たきりの人等  保健婦による看護や訓練の指導 市区町村 
健康手帳の交付 老人保護法の対象者  健康手帳の交付 市区町村
健康相談 おおむね65歳以上の人  医師、保俺婦による個別相談 市区町村 
健康診査 おおむね65歳以上の人  がん、心疾患などの診査 市区町村 
機能訓練 おおむね65歳以上の人  適所による機能維持 市区町村 
養護老人ホ−ム 原則として65歳以上  経済的、身体上の理由がある人を預る。自己負担  市区町村・福祉事務所
特別養護老人ホ‐ム 原則として65歳以上  体が不自由な人で世話する人のない人を預る 市区町村・福祉事務所 
軽費養護老人ホ−ム 60歳以上  資産が利用料の2倍以下で、身寄りがないか事情のある人  各施設
老人福祉手当 65歳以上、6ヵ月寝たきり  年令と所得により決定 市町村 

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ホスピス

ホスピスは、「親切にお客をもてなす所」という意味で、末期の人が人生の最後を充実して過ごせるよう、専門スタッフがさまざまな協力を積極的に行う場です。
病院よりややゆったりしたリズムの生活、親密な人間関係を基本に、患者の苦痛に積極的に対処していく特別なケアをする場所といえるでしょう。
病名告知は、あくまでも本人の気持ちを尊重し、家族とも相談しながら慎重に行います。精神的な援助にも積極的で、時間をかけて病人の話を聞く姿勢を持っています。
さらに、家族を支援しようとする姿勢も強く、家族の気持ちを聞いたり、宿泊への配慮などもいきとどいています。
もちろん散歩や外出、また病室での書き物などへの理解もあります。
また、ホスピスによってはキリスト教あるいは仏教の宗教的な行事を行っています。
ホスピスの使命
  1. 身体的な苦痛のコント口―ル
  2. 精神的な苦痛のコント口―ル
  3. 社会的な苦痛のコン卜口―ル
ガン終末状態で苦しんでいる病人を看護している家族は、ホスピスなら苦しみをとってくれるかもしれないと考えます。
一般の病院に入院している場合は症状に応じて医師も看護婦も努力し、最後まで入院を継続する場合がほとんどです。
しかし最近は患者がホスピスに移る場合も少なくないようです。
いずれも痛みなどの症状を少しでも取り除いてもらいたい、という場合が圧倒的なようです。痛みの緩抑のために麻薬の処方に消極的な医師の場合にはホスピスに移った方が病人の苦しみを取り除くことが出来ます。
また症状が複雑で、いろいろな薬の組み合わせを必要とする場合にも、ホスピスの方が適切な対処を行なうことが出来るでしょう。
精神的な苦痛を和らげる
身体の痛みは、ときには精神的な問題が加味されている場合が少なくありません。
また死の恐怖で悩んだり苦しんでいる場合もあるでしょう。
その際には、ゆっくりと話を聞いたり、精神面に作用する薬を併用するなど、その人の状態に即した方法を用いる必要要があります。
ホスピスの医師や看護婦は、精神的な問題に積極的に対処しようとします。
一般の病院では処置その他の仕事に追われてゆっくり話す時間がない場合が多いのですが、ホスピスでは時間をかけた対話や交流も大切な症決への対処方法と考えています。
静かな療養環境
ホスピスは建物の構造や設備上の点で、医療以外の生活の幅を広げようとする態勢が考えられていて、終末期の生活をより快適に、充実して送れるよう配慮されています。
たとえば個室が多く、病室内にトイレがあり自分で歩いてトイレに行きやすい、家族が泊れる部屋がある、病人のために家族が調理できる台所がある、庭や池があり散歩できる、宗教的な支えがあるところもある、したいと思うことが行えるよう職員が援助する姿勢を持っている、などの環境が用意されています。
ホスピスに入るには
病名や予後を知っている場合に、病人自身がホスピスに入りたいと考える場合があります。
しかし現状では、家族がホスピスに病人を入院させ、苦痛な症状を取り除いてあげたいと思う場合が多いようです。
その際、病人を受け入れるうえでどのような手続きが必要なのかは、各ホスピスによって異なりますが、以下のようなことに気をつけます。
  1. 病院入院中にホスピスに移る手続きを進める場合は、病院の主治医に了解を得る必要があります。もし家族が直接ホスピスの医師に連絡をとっても、ホスピスの対象になる病状の患者かどうか確認するため、現在の主治医の意見書を用意するよう求められるでしょう。また、医師同士の連絡により病状の確認が行われます。
  2. 在宅療養をしている場合には、直接ホスピスを訪れます。病状や各種の問題を把握したうえで、受け入れが検討されます。ホスピスによっては関係者チームが相談して決める方式をとっているところもあります。もし、医療機関との関係がまったく切れてしまっている場合は、とにかくホスピスに行って相談してみるとよいでしょう。
ホスピスの受け入れ条件
ホスピスの受け入れ条件は、ホスピスにより多少の相違があるので、選択の際にはあらかじめ調査が必要です。
ホスピスによっては、受け入れ条件としてガンの発生部位をある程度限定していたり、年齢や、家族が泊りりこみで付き添うことを条件にしているホスピスもあります。
ホスピスが設けられている病院は、一般病院、療養所、老人病院なと多様です。
現段階ではホスピスのあり方について統一された基準が設けられていないので、ホスピスそれぞれに考え方が多少異なると思います。
しかし、ガン終末期に現れる症状を積極的に抑えることや、精神的な苦しみを支えようとすること、また家族に対しても援助を行うという点では共通しています。

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応急手当

とっさの時の心得
  1. 病人が急変した場合は、あわてず冷静な判断が大切です。沈着さこそ応急手当の第一歩です。
  2. 病人をむやみに動かさず、安静にするのが第一です。
  3. 患者は不安になっています。心配を増すような言葉は慎み、病人を元気づけます。
  4. 無意識のときは飲物を与えません。液体が肺に入りやすい状態なので危険です。
  5. からだが冷えないよう、適当に毛布などをかけて保温に注意します。
  6. 意識を失ったり、嘔吐のあるときは窒息の危険があるので、気道を確保するように注意します。
  7. かかりつけの外科・内科医の電話番号をメモしておき、医師や救急車に大至急連絡します。
救急車を呼ぶ
あわてている場合が多いが、落ち着いて次の要領で呼ぴます。
  1. 電話をしている自分の名前と、救急車の依頼をします。
  2. 病人の病名や容態などを知らせます。このことが救急隊の処置をスムーズに運ばせます。
  3. 病人のいる場所やよく目立つ目標をはっきりと伝えます。
  4. 救急車が来るまでの間、病人に付き添い看護の手をゆるめないようにします。
  5. 救急車に同乗する場合があるので、簡単な外出着に着替えておきます。
  6. 家に複数の人がいれば、一人が玄関の前に立って救急車を誘導します。
以上が救急車を呼ぶときのルールです。
蘇生法
蘇生法とは、呼吸が消止したり、心臓が止ったときに、適切な処遣を施し生命を救う方法です。
蘇生法には、気直の確保、人工呼吸、心臓マッサージの順で行うのがコツです。
■人工呼吸法
人工呼吸を行なう前に、まず次のような処置をします。
  1. 口や鼻の中に異物がつまっていれば、できるだけ早く取り除きます。
  2. 相手の衣服をできるだけゆるめます。
■気道の確保
意識を失うと、舌の根元がのどの奥に落ちこんで、気道をふさいでしまいますので、相手の頭をできるだけ後ろに反らせるようにして、気道を開いてあげねばなりません。
■マウス・トウ・マウスの方法
  1. 深く息を吸い、相手の口に自分の口をおおうようにして息を吹きこみます。このとき、指で相手の鼻をつまみ、吹きこんだ息が漏れないようにします。
  2. 次に口を離すと、相手は胸の弾力で自然に息を吐き出します。
  3. 口を離したら大きく息を吸い、また相手の口に自分の口を当てて、息を吹きこみます。吹きこみの回数は、1分間に12回から15回程度です。最初の4回の吹きこみは、急速に行うようにします。
  4. 人工呼吸中に、相手が嘔吐するような場合、頭を後ろに反らせたまま、からだを横に向かせて吐かせてから、口の中を十分にぬぐいます。なお、口と口が触れることへの抵抗感や不潔感があるときは、ガ‐ゼなどを相手の口におおって行ないます。
■心臓マッサ―ジ
心臓が止まっているかを知るには、大きな動脈の拍動がない、呼吸が止まっている、瞳孔が大きく開いている、心臓の音が聞こえない、皮膚の色が暗紫色になっているなどの症状で判断できます。このような場合は、直ちに心臓マッサージを行ないます。
心臓マッサ―ジの方法は以下の通りです。
  1. 患者を、かたいものの上にあおむけに寝かせます。
  2. 自分の両手を重ね、胸骨の下半分の部分に当てます。
  3. 両手に体重をかけるようにして、両手が3、4cm沈む程度にリズミカルに圧迫します。これを一分間に60回ほどくり返します。
病人を運ぶ
病人を運ぶ場合、普通あおむけにしますが意識を失っている場合や、首や背骨を強く打った場合には、運び方、寝かせ方に、特別の注意を払います。また運び方、寝かせ方で、患者の容態をいっそう悪くさせてしまうことがありますので注意が必要です。
  1. 背負って運ぶ方法  力がない人でも運べるし、患者の背骨を曲げないで運ぶことができます。
  2. 抱き上げて選ぶ方法  力のある人でないとむずかしい方法です。意識を失っている患者は重いのでこの方法は 使えません。
  3. 抱きかかえる方法  患者に意識があって、歩けるような場合に使います。
■担架で運ぶ
担架で運ぶ場合には、次のような点に注意します。
  1. 担架は必ず患者のわきまで運び患者を担架に移します。
  2. ショックを予防するために必ず毛布などで保温します。ただし患者が暑がる場合はいけません。
  3. 後方にいる人は、患者の容態の変化を観察できるように、患者の足を進行方向に向けて運びます。ただし坂を登る場合には、患者の頭が前にくるようにして運びます。
■意識を失っている場合
患者が意識を失っている場合は、すく横向きにして寝かせ、頭を後ろにそらしてのどを広げるようにし、顔は下向きに地面のほうに向けます。
これは気道を確保するためと、嘔吐が起きたとき、吐瀉物が流れやすくするためです。ひざは少し曲げます。
■自動車で選ぶ
痛みを感じさせないで自動車に乗せることは困難です。
また乗用車では、患者を水平にして置くことは不可能に近いので、救急車が使用できないときは、荷台の広いバン型の車に寝かせて運びます。
乗用車の座席に乗せて運ぶことは子供の場合以外は避けます。
特に意識を失っている場合には、気道がせばまったり、吐いたものがのどにつまらないように注意します。

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休日夜間救急センター

病人が急変した場合
事故・災害等による患者の搬送は、119通報を受けて、もっぱら市町村の消防署が行ない、外科系を中心とする救急病院、救急診療所へと運ばれます。
また休日夜間の急病患者の場合には、休日夜間専用の診療所(休日夜間急患センター)に連絡します。
休日夜間急患センターは、原則として人口5万人以上の市に整備されています。
従ってあらかじめ、休日夜間急患センター等の電話番号を控えておきたいものです。
また最近は人口の高齢化によって、内科系の救急患者の数が外傷患者数より多くなってきたことから、疾病患者についても救急車で般送するようになりました。
救命救急センター
脳卒中・心筋梗塞・頭部損傷等の重篤な救急患者を受け入れるため、高度の診療機能を有する24時間診療体制の救命救急センターが計画的に整備されています。
救命救急センターは各都道府県に最低一ヵ所、人口、地勢、交通事情等の諸条件によっては複数設置されることとなっています。
救命救急センターは、初期救急医療施設及び第2次救急医療施設の後方病院であり、重篤救急患者の医療を確保するため、脳神経外科・循環器科等の医師を配置し、高度の救命医療の実施に必要な医療従事者、医療機器及ぴCCU等の専用病床を有しています。 

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夫婦の財産関係

わが国の民法は「夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする」(民法762条1項)として、夫婦別産制をとっています。
つまり夫が働いて得た収入は夫のものということになります。
これは、夫婦がそれぞれ収入を得て経済的に自立し、対等な関係にあれば理想的な制度ですが、現実における夫婦関係では、夫が働いて収入を得、妻はたとえパートなどで働いていても、家事・育児に時間が取られ、妻の収入は夫と比較して少ないことが多いでしょう。
次に夫の給料が生活費として家計に組み入れられたとき、夫の特有財産という性格を失って夫婦の共有財産となり、またこれを節約して残した金銭、いわゆるへそくりもまた夫婦の共有財産と考えられています。
財産分与と相続
しかしこれでは、夫婦不公平ということで、結婚生活が終わった時点でそれまで配偶者への貢献が清算されます。
その一つは離婚の際の財産分与(民法768条)であり、もう一つが死亡の際の配偶者相続です。
民法によると、配偶者は常に相続人となり、子及び配偶者が相続人である場合は、子及び配偶者の相続分は各二分の一と定めらたています。(民法200条)
夫婦財産契約
民法では、結婚の届出をする前なら、夫婦の協議で、結婚中の財産関係を自由に定めることができるとしています(民法755条〜759条)。
この取り決めを夫婦財産契約といいます。第三者に認めてもらうには、これを結婚前に登記しておかねばなりません。
夫の借金・妻の借金
夫婦といえども互いに独立し、片方の借金はその者だけの借金で、保証人にならないかぎり他方が責任を負うことはありません。
ただし、日常の家事に関する債務については、片方が行った取引について、他方も連帯責任を負わねばならなりません(民法761条)。
例えば 妻が購入した食器棚については、夫も連帯して代金を支払う義務を負います。

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親・姑の扶養

親の扶養
長年連れ添ってきた伴侶が病気や死亡のために収入を失い、かつ遺産もないため、自分の力だけでは暮らして行けなくなったとします。
そのとき、この人の面倒を誰がみるのか。
これが扶養の問題です。
これまで面倒をみていたのは配偶者でした(民法752条、760条)。しかし配偶者が死亡した場合は、直系の親子、祖父母、孫のような血族と兄弟がこの人を扶養する義務を負います(民法877条1項)。
養子のような法定血族であれ、非嫡の子であれ、同様に責任があります。
扶養の順序
扶養義務のある者が数人いる場合には、まず誰がこの人を扶養すべきでしょう。
民法では、義務者の間で脇議することになっています(民法878条)。
一般に兄弟姉妹よりも直系の血族が扶養の責任を負います。
子が二人以上いるときは、原則として長幼男女の別なく、平等に扶養義務があります。
扶養義務
子は(自分の)妻子を扶養する義務があり、そのうえ余裕があれば親を扶養する義務を負います。
子は親の面倒をみることよりも、妻子や自分の生活が優先されています。
お金の面倒と身辺の世話
親の扶養には、生活費の援助をする場合と、身のまわりの世話をする場合、そしてその両方が必要な場合があります。
子が二人以上いるときは、子らの間で、経済力のある者は生活費を負担し、労力の余裕のある者は介護の負担をするなど、別々にすることもできます。
舅・姑の扶養
しゅうと、しゅうとめの扶養について、民法は「特別の事情があるときは、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」(民法877条2項)としています。
これを「特別扶養義務」といい、特別扶養義務を負う三親等内の親族とは、おじ、おば、おい、めいのような傍系の血族や、配偶者の連れ子などの姻族。
そしてしゅうと、しゅうとめ、むこ、嫁の関係も、一親等の姻族として特別扶養義務を負う関係にあたります。
家庭裁判所で「特別扶養義務」に定められないかぎり、三親等内の親族というだけでは扶養の責任は生じません。
婚姻関係の終了
しゅうと、しゅうとめ、むこ、嫁の姻族関係は結婚によって生じたものなので、離婚によって消滅します。
そのほか、夫婦の一方が死亡したときに、残る一方の自由な意思によって婚姻を解消することができます。
この畑族関係終了の届を出すと姻族関係は消滅し、むこ、嫁、しゅうと、しゅうとめは親族ではなくなり、もはや相互に法律上の扶養義務を負う関係は生じません。
この意思表示は、死亡した者の配偶者の側からでき、死亡した者の親族からは出来ないことになっています。
つまり、むこ・嫁は、しゅうと・しゅうとめとの縁を自由に切れますが、しゅうと・しゅうとめ側から縁を切ることは許されていません。
老母が夫に先立たれ、いずれは子が相続するのだからといって、主な財産を息子に譲ってしまったあと、頼りにする息子が先に死んでしまったらどうでしよう。
息子の財産は嫁と孫が相続し、老母にはとり分はありません。
こんな場合、家庭裁判所は「特別の事情があるとき」にあたるとして、嫁に亡夫の親を扶養する責任を負担させることが考えられます。
しかし、ここで嫁が姻族関係終了届を出すと、姻族関係は消滅し、もはや嫁(元)に扶養を求めることができなくなってしまいます。
もっとも、孫には直系血族として祖母を扶養する義務があるので、孫に余裕があれば扶養を求めることができます。
同居親族の扶け合い義務
民法730条には同居の親族の扶け合い義務を定めています。
直接の扶養議務者でない嫁であっても、老親介護の責任を担わなければなりません。 

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死の心理経過

「死の瞬間」の著者キュブラー・ロス女史は、死を告知された患者は、どのような心理的変容をたどって死を迎えるかということについて、―つの臨床的研究を行い、患者の死に対する考え方と死の恐怖をどのようにして和らげるかという問題について、具体的に考える手掛りを提供しました。
死を迎えるまでに人間の心理はさまざまな様相をたどります。
死は人にとってもっとも個人的、内面的な出来事であるからです。
したがって、キュブラ-・ロスが症例研究から概念化した「死の過程」も、どのような死にも当てはまるというものではないでしょう。
しかしながら、彼女が示唆した一連の逐次的な5つの段階は、死の過程に一つの輪郭を与えたものと考えられます。
死の段階は、キュブラー・ロスが、200人の死に臨んだ患者と面接し、そこから選んだ死の経過を記述したものです。
キュブラー・ロスの死の段階モデル
民法730条には同居の親族の扶け合い義務を定めています。
直接の扶養議務者でない嫁であっても、老親介護の責任を担わなければなりません。
■第1段階「否認と隔離」
「私にはそんなことはあり得ない」といい、死を認めようとしません。死を遠ざけようとする段階です。
否認は、―時的な自己防衛機制によって生じます。やがて徐々に死を受容し始めます。
■第2段階「怒り」
死の否認という段階が維持できなくなると、やがて死ななければならないことに対する怒り、さらに生き続ける優豪な人々ヘの羨望、恨みなどのさまざまな気持ちが現れます。
■第3段階「取り引き」
この段階は「交換条件」のようなものであって、神仏や超自然な力に対して何らかのお願いをして約束を結びます。
たとえば「病気が治るならば自分の財産を寄付してもよい」などと…もし、それが出来ないならばせめて痛みや身体的不快のない状態がほしいと願うのです。
■第4段階「抑うつ」
末期の人はたぴ重なる手術あるいは入院治療を受けなければならなくなり、さらに「取り引き」にかかわらず、ますます病いが悪化する兆候が現れはじめて、衰弱も加わってきますと、現在までにやり残してきた仕事や、さまざまな後悔などの思いが患者の心に去来し、抑うつ的になります。
■第5段階「受容」
受容はこれまで生きることへ向けられていたエネルギーがそれから離れることを意味します。
苦痛との戦いが終わり、長い旅路の前の最後の休息の時がこれにあたります。
患者が突然死や事故死ではなく、何らかの形で死を予期し、覚悟してきた患者は、このような心理的経過を経て、やがて死を受容して死んでいくといっています。
こうした精神的な葛藤を生き抜いてきた人は、それまでより人格的に成長するということがいえるでしょう。
もっとも、こうしたプロセスはあくまで、一つのあり方であって、最後まで死を受け入れないで死んでいく人や、子供たちの将来を安じながら死んでいく人たちも多いことでしょう。

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